薫る言葉

本や映画のことなど、思ったことを言葉で表せるように

君の鳥はうたえる

こんなにもサボってしまったからには、それを巻き返すほどのものを書かなければならないと自らに言い聞かせながら、おそらくまたサボる時のことを考えている。
もう言い訳してもどうしようもないので、とりあえず気ままに改めて書いていく。
 
先日、君の鳥はうたえる を改めて観た。
ここ最近の中では個人的に一番良かった映画なのだけれども、改めて見るとその描写や人物造形の細かさに改めて驚かされた。
もちろん、ほとんど何も起こらないことや、最後の数分については賛否両論あるだろうけど、それを踏まえた上で素晴らしい作品だと思う。
登場人物それぞれのダメな部分や、それがゆえに優しいところが、表情や細かな動きからありありと見えてくる。
個人的には仲の良い友人たちと共に時間を過ごしているようで、以後ごちの良い感覚を味わうことができる。
それでいて細部はとても細かく、どのようにも読み取れる描写が散見していて、観ていると意外な情報量の多さに疲れたりする。
観終わった後に、映画って素晴らしいなと思うような、映画的映画と言える。
 
細かなところをここで分析するつもりはないけれども、遊んでいるだけの日常の裏に見え隠れする現代の若者の閉塞感と幸福のようなものがとても身近に感じた。
ぜひこんな映画を撮ってみたい。おそらくもっと頭でっかちになる可能性はあるけれど。